伊東豊雄氏設計の「笠間の家(1986)」を見学。伊東さん45才の作品である。現在、笠間市に管理され、ほぼオリジナルな状態で貸ギャラリー、カフェとして一般公開されている。伺うにあたり少し予習して来たが、陶芸アトリエ、ギャラリー兼住宅となっていて思っていたより一回り大きい印象だ。インテリアは真っ白に塗装され、中野本町の家(1981年)を連想させる空間も垣間見える。外装はケイカル板が無機質に貼られているだけであるが当時の空気感なのか、ストイックな仕上がりとなっていて建物の輪郭を際立たせ、存在を明瞭にしている。春の新緑と気候のせいも相まり、この建築が一層瑞々しく感じた。