トーハク 法隆寺宝物館の建築

東京国立博物館で現在開催されている「ポンペイ展」の流れで法隆寺宝物館(設計:谷口吉生)に立寄った。1999年に開館し何度も来ているが、今回は僕を含め数人の来館者のようであるためじっくりと見学。改めて石も金属もガラス工事も職人の息を凝らした仕事が伝わり、谷口さんの建築の中でもディテールの精巧さは際立っているように見受ける。展示物の7世紀の金銅仏と相まり精密さが醸す静謐な空間を作っている。

 

 

 

  • 2022.02.23 Wednesday
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中央工学校 設計科1年生 第二課題の提出

講師を務める中央工学校の一年生の設計課題の提出があった。これで今年度の授業は終了となる。2年コースの1年生は前期木造2階建て住宅、後期鉄骨3階建ての店舗付き住宅の設計を行い、1/50の詳細図やCGも作成したりと中々のボリュームをこなす。今年も様々なデザインの提案があり、学生の頑張り、個性にも目を見張った。

 

 

 

 

  • 2022.02.23 Wednesday
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流山おおたかの森小・中学校の建築

久し振りのブログの更新。今回、流山おおたかの森小・中学校の建築を見学した。隣街であり、いつも前は通り過ぎるのだが、今回は見学に訪れた。建物は、梁型のないフラットなスラブとl型の壁が全体を構成し、力強く開放的な建築を作っている。デザインもさる事ながら施工も素晴らしい。この建築で、CAt.小島氏赤松氏が2016年に建築学会賞を受賞されている。卓越した構成力、設計力を感じずにはいれない傑作だ。

  • 2022.01.24 Monday
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小淵沢、塩尻での建築

見学メモ。小淵沢、リゾナーレ八ヶ岳(設計マリオ・ベリーニ1992)現、星のや運営により今も魅力的だ。このままであり続けて欲しいバブルの賜物。キースヘリング美術館(設計:北川原温2000)では、隣接する同氏によるホテルも素晴らしい。塩尻市市民交流センター エンパーク(設計:柳沢潤2010)97枚の壁柱からなる開放的な空間が魅力。どれも地方の小さな街にある建築だ。

  • 2021.11.29 Monday
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清春芸術村の建築

奈良井宿への道中に山梨県長坂町にある清春芸術村に立ち寄り。この施設の建築は、ギュスターブ・エッフェル設計の1900年パリ万博施設ラ・リューシュ(復元)はじめ、清春白樺美術館、ルソー礼拝堂など若き日の谷口吉生氏(1983)の建築や光の美術館(安藤忠雄2011) 茶室 徹(藤森照信2006)も素晴らしい。また、施設内外の自然も満喫出来、何度来ても発見の多い施設である。

 

  • 2021.11.21 Sunday
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奈良井宿の街並みと建築

10月に学生時代の親友と長野県塩尻市奈良井宿の街並みとその道中の建築を巡る旅をした。奈良井宿は中山道34番目の宿場町、標高900mの山中に江戸後期の宿場町が現在も住まわれながら保存されている。約1kmに及ぶ民家の連なりは、なだらかな地盤の変化や道幅と呼応し、緩勾配の屋根と深い庇が特徴的な豊かな町並みを形成している。

  • 2021.11.03 Wednesday
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近江八幡のWM.ヴォーリズの建築

  左上から、ヴォーリズ自邸(1932)近江兄弟社学園(1920)近江八幡教会牧師館(1940)旧八幡郵便局(1921)旧八幡警察署(1886)現資料館(1953改修)八幡商業高校(1938)吉田邸(1913)ダブルハウス(1920)ウォーターハウス(1913)全て戦前の建築。当時の近江八幡の特異ぶりが伺える。

 


The Tokyo Toiletの見学‐1

渋谷区内の17か所の公共トイレを16人の建築家はじめクリエーターが手掛けている。完成したいくつかを見学、どれも作者の個性が凝縮した完成度の高い作品だ。小さな建築だがディテールの施工精度も高く訪れるだけで何だかハッピーになる。清掃メンテナンスは区で念入りに行うとの事。また用を足しに立ち寄りたい。

  • 2021.09.25 Saturday
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東山魁夷館の見学

 長野県立美術館の見学と同様に、一昨年リニューアルされた東山魁夷館(1990 設計:谷口吉生)の見学も楽しみにして訪れた。この建築からは、普遍的な形態や余白のデザイン、素材とディテールなど若い頃に大変勉強させて頂いた。今回内外装ともに、意匠をリノベーションされ、竣工当時に戻った仕上がりだが、改めてこの建築の完成度の高さを実感する。県立美術館全体の位置づけとしては、新美術館が「動」であり、東山魁夷館は「静」といったところであろうか。以前よりも一層、静寂さが増した印象だ。

  • 2021.09.22 Wednesday
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長野県立美術館の見学

今年4月に開館した長野県立美術館(設計:宮崎浩 氏)を見学。開館を楽しみに訪れた。周辺環境は、城山公園の以前の寂しい雰囲気が一変して、美しいランドスケープのデザインにより開放的な場所に変貌していた。建築は、城山公園の自然、県内一の観光地である善光寺、東山魁夷館などデリケートな周辺環境を透明感ある建築により統合され、新しい開かれた場所を創出されていた。開館直後の夏休みと云うこともあり猛暑と人でへとへとに。落ち着いた頃また来たい。長野の夏も暑い。

  • 2021.09.03 Friday
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埼玉県立歴史と民族の博物館(旧博物館)の建築

 大宮まで出掛けたので、帰りに埼玉県立歴史と民族の博物館(設計:前川國男1972)を見学した。数年振りに来たが、大学1年の夏休みに見学に来て、始めて前川さんの建築に触れた事を思い出した。打込みのレンガタイルのマッシブなボリュームや内部のコンクリートの梁の連続、巨大な開口部など、ガッシリと造り込んだ空間に「これが建築なんだ」と感動した想いは今訪れても変わらない。何者にも媚びていない建築だ。

 

 


安曇野高橋節郎記念美術館の建築

 

安曇野  高橋節郎記念美術館(設計:宮崎浩 2003)を訪れた。約3年ぶりの訪問である。今回は、同設計の長野県立美術館への道すがらに立寄った。この施設は、展示室のあるモダンな建築もさることながら、高橋節郎氏の生家(江戸中期)や蔵のデザインを含む保存再生も素晴らしいのである。もう一度見たいと来たが、ずっと居たくなるような施設である。今回は、施設周辺の安曇野の夏の風景、風土にも触れ、来て良かったと実感した。

 

 

  • 2021.08.02 Monday
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群馬県立近代美術館と原美術館ARCの見学

 群馬県に建つ磯崎新氏設計の二つの美術館を見学した。群馬県立近代美術館(1974)は、展示空間を2008年に美しくリニューアルされ、現代棟と合わせ展示室の質、面積共に充実した美術館に生まれ変わっていた。「群馬の森」の公園の管理もまた美しい。一方、渋川市の原美術館ARCは、今年4月の品川の原美術館の閉館に伴い統合され、リニューアルされたばかりだ。2008年に展示室を増築され、展示の志向性が明確になったように見受け、作品の新しい価値を見出す試みも垣間見えた。双方の施設ともであるが、周辺の豊かな自然環境がARTを際立たせている。

 

 

  • 2021.07.30 Friday
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近江八幡旧市内の家屋と風景

4月の末に父が逝去し、その前後故郷の近江八幡を行ったり来たり。その都度朝夕の町をブラブラと。子供の頃自転車で走り回った路地や中学校への通学路など、いまだ記憶のまま残る風景も多い。そして風景を作っている建物に目を配れば、当時(多くが明治以前の建物か)の大工さんはじめ、職人の豊かな感性を感じずにはいられない。両親共に他界したが、故郷の風景は変わらない。

  • 2021.06.27 Sunday
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「笠間の家」の見学

伊東豊雄氏設計の「笠間の家(1986)」を見学。伊東さん45才の作品である。現在、笠間市に管理され、ほぼオリジナルな状態で貸ギャラリー、カフェとして一般公開されている。伺うにあたり少し予習して来たが、陶芸アトリエ、ギャラリー兼住宅となっていて思っていたより一回り大きい印象だ。インテリアは真っ白に塗装され、中野本町の家(1981年)を連想させる空間も垣間見える。外装はケイカル板が無機質に貼られているだけであるが当時の空気感なのか、ストイックな仕上がりとなっていて建物の輪郭を際立たせ、存在を明瞭にしている。春の新緑と気候のせいも相まり、この建築が一層瑞々しく感じた。

 

 

  • 2021.06.01 Tuesday
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水戸弘道館の見学

水戸弘道館を見学した。幕末に徳川斉昭により藩の教育施設として設けられた建物だ。下調べなく立寄ったのだが、社寺建築のような権威さや、数寄屋のような作為的な風でもなく、質実剛健な造りと美しいプロポーションを兼ね備えた、気持ちの良い建築であった。隅々まで見学していると、きっと昔の人も教育の場としての設えや意匠を考えたのだろうなと、遠い昔を伺い知れたような気がした。同時に当時の水戸藩の気骨や公共建築の源?も感じ得大変勉強になった。

  • 2021.05.25 Tuesday
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石巻市芸術文化センターの見学

3月の末にオーブン直前の石巻芸術文化センターマルホンまきあーとテラス)を見学させて頂いた。2016年の設計コンペにおいて、設計者の藤本壮介氏が選出され、その提案が印象深く是非にと足を運んだ。敷地は、野球場やサッカー場のある運動公園に隣接していて、建物は遠方から望むことができる。この建築の一番の特徴である、津波で失われたであろう、旧石巻の街の様相が遠くに蜃気楼の如く現れた。

 

  • 2021.04.27 Tuesday
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仙台周辺の建築と風土

仕事で仙台に滞在する機会を得た。空いた時間に仙台メディアテークや名取文化会館などの名建築や松島、大崎八幡宮、津波の痕跡を保存した荒浜小学校など、急ぎ足で散策した。仙台ではもう少し東北を実感するかと期待していたが、大都市は何処も同じか?唯一居酒屋のメニューの端っこに、風土の片鱗を感じた。

 

  • 2021.03.31 Wednesday
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友を群馬県立館林美術館へ

学生時代からの友人が8年の東京赴任を終え大阪へ帰る。いつでも案内できると思っていたが、よい機会だと第一工房で担当した群馬県立館林美術館を案内した。2001年に開館したので、今年で丁度20年である。久しぶりに訪れたが、メンテナンスの良さもあり経年はさほど気にはならないが、樹木の成長は目まぐるしい。一方館内は、竹久夢二の美人画〜企画展の効果か、コロナ渦にも関わらず盛況であった。友人は、気遣いからかえらく感動してくれたが、僕の建築自慢に付き合わせた休日となったのかも知れない。

 

 

  • 2021.02.17 Wednesday
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「石岡瑛子 グラフィックはサバイブできるか」

銀座gggギャラリーで開催されている、「石岡瑛子 グラフィックはサバイブできるか」展を見学。石岡さんといえば、我々世代はやはりPARCOのポスターである。80年代当時、大阪南河内の山奥の芸大に通っていた自分にとって、オシャレなグラフィックと洒落の効いたコピーのカッコイイPARCOの広告は、都会に対する羨望と重なった。皮肉にも消費も経済も縮小するコロナ禍の今、この展示の意義は大変大きいと思う。

  • 2021.01.23 Saturday
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